死亡後の手続き一覧|葬儀から税金などの公的な手続きまで解説

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- 死亡届は7日以内に提出をする
- 埋葬料・葬祭費の請求は2年以内に行う
- 所得税や相続税などの手続きも忘れず行なう
「親や家族が亡くなった時、何から手をつければいいか分からない…」そんな不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、死亡後の手続きを、葬儀から相続、そしてその他の事務手続きまで、わかりやすく解説していきます。
死亡届の提出や年金の手続き、など、複雑な手続きを順番に説明していくので、ご安心ください。
それぞれの項目には、期限や必要な書類なども詳しく記載しているので、参考にして、落ち着いて手続きを進めていきましょう。
- 1. 親や家族が亡くなった直後から葬儀・初七日までの手続き
- 1.1. 死亡診断書・死体検案書の受け取り
- 1.2. 死亡届の提出(7日以内)と火葬許可証の受け取り
- 1.3. 訃報の連絡
- 1.4. 葬儀社への連絡・打ち合わせ
- 1.5. 葬儀の手続きと初七日
- 2. 親や家族の葬儀後の公的な手続き
- 2.1. 年金受給の停止(10日または14日以内)
- 2.2. 健康保険の資格喪失届(5日または14日以内)
- 2.3. 介護保険資格喪失届(14日以内)
- 2.4. 住民票の世帯主変更届(14日以内)
- 2.5. 雇用保険受給資格者証の返還(1か月以内)
- 2.6. 国民年金の死亡一時金の請求(2年以内)
- 2.7. 埋葬料の請求(2年以内)
- 2.8. 葬祭費の請求(2年以内)
- 2.9. 高額医療費の還付申請(2年以内)
- 2.10. 遺族年金の請求(5年以内)
- 2.11. 故人の未支給年金の請求(5年以内)
- 3. 親や家族が亡くなった時の税金関係の手続き
- 3.1. 所得税の準確定申告・納税(4カ月以内)
- 3.2. 固定資産税の納税
- 3.3. 相続税の申告・納税(10カ月以内)
- 3.3.1. 税理士への相続相談をお考えの方へ
- 4. まとめ
- 4.1. 埼玉県・東京都の葬儀詳細はこちら
親や家族が亡くなった直後から葬儀・初七日までの手続き
ここでは、親や家族が亡くなった際に行う必要がある手続きや行動を解説いたします。
順番は前後することもありますので、こちらは一般的な手続きの順番になります。
死亡診断書・死体検案書の受け取り
家族や親族の不幸な訃報を受けられた場合、まず病院から死亡診断書を受け取る必要があります。
死亡に至るまでの経緯が不明瞭な事故死や突然死などの場合は、警察への連絡が必要で、この場合は検視の後、死体検案書が作成され交付されます。
死亡診断書は、通常、死亡当日または翌日に受け取ることができます。
後々の手続きで必要となる場合もあるため、必ずコピーを取っておくようにしましょう。
死亡届の提出(7日以内)と火葬許可証の受け取り
故人が亡くなった場合、死亡診断書や死体検案書の交付を受けた後、「死亡届」を提出する必要があります。
「死亡届」は、亡くなった方の氏名や生年月日、死亡日時、死亡場所などの情報を記載する書類です。
「死亡届」と同時に「火葬許可申請書」も役所に提出する必要があり、これらの書類を提出することで、役所から「火葬許可証」が交付されます。
この「火葬許可証」は、故人を火葬するために必要な書類なので忘れずに手続きを行なうようにしましょう。
「死亡届」の提出期限は、死亡を知った日から7日以内です。
期限内に提出しないと、5万円以下の過料が科せられる可能性がありますのでご注意ください。
また、提出先は亡くなった方の死亡地、亡くなった方の本籍地、または届け出をする方の所在地のいずれかの市区町村役場になります。
一般的には死亡届と火葬許可証の提出、火葬許可証の受け取りは葬儀社が代行してくれる場合が多いため、確認しておくと良いでしょう。

訃報の連絡
故人との関係性が深い場合は、まず訃報を伝え、その後葬儀の日程や場所が決まり次第、改めて連絡するのが一般的です。
故人と親しい間柄でない場合は、訃報と葬儀に関する情報を同時に伝えるのが適切でしょう。
葬儀社への連絡・打ち合わせ
ご逝去の際には、まず葬儀社への連絡が重要となります。
病院から紹介を受けるか、ご自身で葬儀社を探して連絡を取りましょう。
葬儀社は、葬儀に関する打ち合わせだけでなく、死亡届や火葬許可証などの手続きを代行してくれることが多く、いろいろとサポートしてくれる存在です。
上記手続きを自分で行うのが不安な場合は、葬儀社に連絡するようにしましょう。
葬儀の手続きと初七日
葬儀は一般的に通夜、葬儀式、告別式、火葬までの流れを指します。
亡くなってから7日目の法要を初七日と呼びますが、最近では葬儀と同時に行われるケースが増えています。
葬儀費用については、法律で誰が負担すべきかは定められていませんが、慣習的に喪主が費用を負担することが多いです。
香典は喪主のものとなり、通常は葬儀費用に充てられます。
故人の遺骨は一般的に墓地に埋葬されますが、墓地がまだ完成していない場合は、完成するまで自宅で保管されます。
遺骨の管理を担う親族がいない場合は、お寺や霊園などが遺骨を管理し、供養を行う「永代供養」という方法があります。
なお、近年では一般的な葬儀以外にも、家族葬や火葬のみを行う直葬など、さまざまな形式の葬儀が選択されています。
親や親族が亡くなった場合、相続手続きは複雑で、一人で対応するのは容易ではありません。
専門家に相談し、適切なサポートを受けることを検討しましょう。
親や家族の葬儀後の公的な手続き
故人の方の死亡後には、年金受給の停止、健康保険・介護保険の資格喪失届、住民票の世帯主変更届など、様々な手続きが必要になります。
これらの手続きには、それぞれ期限が定められており、期限内に手続きを行う必要があります。
下記では公的な手続きを詳しく解説していきます。

年金受給の停止(10日または14日以内)
故人が年金を受給していた場合は、迅速に年金事務所へ連絡し、年金受給の停止手続きを行うことが重要です。
手続きが遅れると、本来受給すべきでない年金を受け取ることになる可能性があります。
年金事務所または年金相談センターに以下の書類を提出してください。
- 年金受給権者死亡届(報告書)
- 年金証書
- 死亡の事実を証明できる書類(死亡診断書のコピーや戸籍抄本など)
手続き期限は、国民年金の場合、死亡後14日以内、厚生年金の場合、死亡後10日以内です。
なお、マイナンバーが登録されている場合は、手続きは不要です。
死亡届を役所に提出することで、年金事務所に情報が共有されるためです。
ただし、未支給年金の届け出は必要となります。
健康保険の資格喪失届(5日または14日以内)
故人の方の健康保険証は、死亡後14日以内に、お住まいの市区町村役場へ返却する必要があります。
健康保険証の返却は、死亡後5日以内に地域の年金事務所へ行ってください。
故人が会社員の場合は会社が退職手続きと同時に対応してくれるケースもありますので、確認するようにしましょう。
介護保険資格喪失届(14日以内)
65歳以上の方または40歳以上65歳未満で要介護・要支援認定を受けていた方が亡くなった場合、介護保険の資格が失効するため、手続きが必要になります。
死亡から14日以内に、故人の住民票のある市区町村役場に、介護保険資格喪失届を提出してください。
必要な書類は、介護保険証と介護保険資格喪失届です。
手続きは、市区町村役場にて行います。
住民票の世帯主変更届(14日以内)
故人が世帯主だった場合、同居人が新たに世帯主となる際は、市区町村役場に住民票の世帯主変更届を提出する必要があります。
死亡届の提出により、故人の住民登録は抹消されますので、別途抹消届は不要です。
市区町村役場にて、死亡後14日以内に手続きを行う必要があります。
期限を過ぎると、5万円以下の過料が科せられる場合があるので注意が必要です。
雇用保険受給資格者証の返還(1か月以内)
雇用保険を受給していた方が亡くなった場合、受給していた分の保険給付金は返還が必要となります。
返還の手続きは、故人が受給していた雇用保険の管轄ハローワークに、死亡後1か月以内に済ませてください。
国民年金の死亡一時金の請求(2年以内)
国民年金に加入していた方が、老齢基礎年金や障害基礎年金を受給することなく亡くなった場合、遺族に支給されるのが死亡一時金です。
支給される金額は、年金への加入期間によって異なり、12万円から32万円までとなっています。
遺族基礎年金を受給する場合は、死亡一時金は支給されません。
死亡一時金の申請は、市区町村役場、年金事務所、年金センターにて行えます。申請に必要な書類は以下のとおりです。
- 死亡した方の年金番号がわかる書類
- 死亡した方と申請者の関係がわかる戸籍謄本、または法定相続情報一覧図の写し
- 死亡した方の住民票除票
- 申請者の世帯全員の住民票
- 振込用の銀行預金通帳
死亡一時金の申請期限は、死亡日の翌日から2年以内です。
埋葬料の請求(2年以内)
故人が健康保険に加入していた場合は、5万円の埋葬料を請求することができます。
加入している健康保険組合または協会けんぽに、必要な書類を提出してください。
必要な書類は以下の通りです。
- 健康保険埋葬料請求書
- 健康保険証
- 死亡診断書 (コピー可)
- 葬儀費用の領収証など
請求期限は、死亡日の翌日から2年以内です。
埋葬料に関してはこちらの記事をご覧ください。
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葬祭費の請求(2年以内)
国民健康保険や後期高齢者医療保険に加入していた故人が亡くなった場合、遺族は葬祭費の請求を行うことができます。
葬祭費は、故人が住んでいた市区町村によって、1万円から7万円まで、家族構成や状況に応じて異なる金額が支給されます。
申請には、故人の健康保険証、申請者の本人確認書類、印鑑、葬儀費用の領収書が必要で、故人が住んでいた市区町村に、葬儀から2年以内に提出する必要があります。
葬祭費に関してはこちらの記事をご覧ください。
高額医療費の還付申請(2年以内)
健康保険制度では、一定額を超える医療費に対して、その一部を還付する制度があります。
これは、高額医療費の負担を軽減するための制度で、具体的には、加入している健康保険組合や協会けんぽ、市区町村に、医療費の明細書を提出して申請することで、還付を受けることができます。
申請期限は、医療費の支払日から2年以内です。
遺族年金の請求(5年以内)
故人が遺族年金に加入していた場合、遺族年金を受給できる可能性があります。
年金事務所に遺族年金の申請を行うことで、遺族年金の受給が可能です。
遺族年金の申請には、遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類があります。
遺族年金の支給は、家族構成や収入などの条件によって異なります。
たとえば、遺族基礎年金は、故人によって生計を維持されていた配偶者や子が対象となります。
子のある配偶者は、子が18歳に達する年度末まで「79万5000円+子の加算額」(年額)を受け取ることが可能です。
遺族年金は、生活を支えるための重要な収入源となるため、申請を忘れずに行いましょう。
遺族年金の申請には、以下の書類が必要となります。
- 故人および請求者の年金手帳
- 戸籍謄本
- 世帯全員分の住民票の写し
- 故人の住民票の除票
- 請求者の収入証明書
- 子の収入証明書
- 死亡診断書のコピー
- 振込先の通帳
- 印鑑
遺族年金の請求期限は、死亡後5年以内です。
故人の未支給年金の請求(5年以内)
年金は、原則として前月までの2カ月分の年金が支払われます。
そのため、年金受給者が亡くなった場合、死亡前に受け取っていない年金が発生することがあります。
これを未支給年金といい、未支給期間分の年金を請求することができます。
未支給年金の請求は、年金事務所にて行い、請求期限は死亡から5年以内となっています。
親や家族が亡くなった時の税金関係の手続き
ご遺族は、故人に関する様々な手続きを行う必要があります。
特に、税金に関する手続きは、申告期限を守ることが重要です。
- 所得税は、故人が亡くなった年の翌年4月までに確定申告を行い、納税する必要があります。
- 固定資産税は、故人が所有していた不動産について、納税義務が発生します。また、所有者の変更手続きも必要です。
- 相続税は、故人が亡くなった日から10カ月以内に申告と納税を行う必要があります。
申告期限に間に合わない場合は、延滞税や無申告加算税などのペナルティが課される可能性がありますので、早めの準備を心掛け、手続きをスムーズに進めましょう。

所得税の準確定申告・納税(4カ月以内)
故人が事業を行っていた場合や、高い収入を得ていた場合など、確定申告が必要であったときは、相続人が代わりに確定申告を行う必要があります。
これを「準確定申告」と呼びます。
具体的には、個人事業主だった場合や、年収が2,000万円を超えていた給与所得者などが該当します。
準確定申告を行う際は、故人の住所地を管轄する税務署に申告書を提出する必要があり、申告期限は、死亡を知った翌日から4か月以内です。
固定資産税の納税
固定資産の所有者が年度途中で亡くなった場合、その年の納税義務は相続人に移ります。
納税義務のある市町村に納税する必要があります。
相続税の申告・納税(10カ月以内)
相続税は、亡くなった方の遺産の総額が一定額を超えた場合に発生する税金です。
この一定額は「基礎控除」と呼ばれ、3,000万円に法定相続人の数に600万円を乗じた金額が加算されます。
つまり、相続人が3人いれば、基礎控除は4,800万円(3,000万円 + 600万円 × 3人)となります。
相続税の申告は、故人の住所地を管轄する税務署に対して、死亡を知った翌日から10か月以内に行う必要があります。
申告を怠ると、延滞税が発生する可能性がありますのでご注意ください。
相続税には、配偶者に対する税額軽減や、小規模宅地等の特例といった控除・特例制度が設けられています。
これらの制度は、申告しなければ適用されません。
そのため、相続税額がゼロになった場合であっても、申告手続きが必要となります。
控除・特例制度は、適用要件が複雑で、多くの申告書類を作成する必要があります。
相続税の申告・納税手続きに不安がある場合は、税理士に相談することをおすすめします。
税理士への相続相談をお考えの方へ
相続税申告は、複雑な手続きが求められるため、専門家のサポートが必要となるケースが少なくありません。
しかし、いざ税理士を探そうと思っても、どこへ相談すれば良いのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで本項では、相続税申告で頼りになる税理士を見つけるための具体的な方法について解説します。
信頼できる税理士を見つけるためには、以下の3つのポイントを参考にしましょう。
- 初回相談の費用 相続税申告は、人生における初めての経験という方も少なくありません。
相談前に無料相談の機会があるかを確認することで、税理士との相性や事務所の雰囲気などを事前に把握することができます。 - 相続に関する専門性 相続税申告は、一般的な税務申告とは異なる専門知識が必要となります。
相続に強い税理士は、相続に関する豊富な経験と知識を有しており、安心して相談できるでしょう。 - 地域密着型のサポート 相続税申告には、遺言書の作成や不動産の売却など、様々な手続きが伴う場合があり、地域密着型の税理士は、地元の事情に精通しているため、スムーズな手続きをサポートしてくれるでしょう。
相続税申告は、人生における重要な手続きです。
信頼できる税理士と連携し、適切なサポートを受けることで、安心できる相続を進めていきましょう。
まとめ
このページでは親や家族が亡くなってしまった時に行うべき、公的な手続きをご紹介いたしました。
この死亡後の手続きから、葬儀、相続の手続きまで期限が設けられているものもあるので、忘れずに行うようにしましょう。
特に死亡届の提出や年金受給の停止、健康保険などの資格喪失届など、期限が短いものに関してはすぐに対応ができるように準備しておくと安心できるかと思います。
免許証やパスポートなどに関する手続きは別の記事でご紹介しておりますので、参考にして頂ければと思います。
また、埼玉県や東京都の葬儀場や、葬儀プランの詳細についても下記にて紹介しておりますので、ご不明点があるかたはご覧ください。