【完全ガイド】家族葬の喪主挨拶|例文と注意点を解説
近年、故人様と親しい方々だけで温かく見送る「家族葬」を選ぶ方が増えています。
しかし、「家族葬のマナーが分からない」「喪主の挨拶で何を話せばいいか不安」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、家族葬の基本的なマナーから、喪主挨拶の具体的な例文、注意点まで分かりやすく解説します。
故人様への感謝を伝え、心に残るお見送りをするために、ぜひ参考にしてみていただければと思います。

💡記事を先読み
- 家族葬は招待された場合のみの参列が基本
- 喪主挨拶は長くなり過ぎないようし、端的に感謝の意を伝えられるようにする
- 家族葬であっても一般的な葬儀同様に喪服などを着用する
家族葬とは?
家族葬は、故人様の家族や親族、ごく親しい友人など、限られた少人数で行う葬儀形式です 。
一般的な葬儀と比べて、アットホームな雰囲気で、故人様をゆっくりと偲ぶ時間を大切にできるのが特徴です 。
また費用を抑えられるという点からも近年増えてきている葬儀の形になります。
参列者は数名から30名程度が一般的ですが明確に何人以下であれば家族葬という定義はなく、ご家族中心の葬儀を総称して家族葬という場合も近年は多くなっています。
家族葬が選ばれる理由
家族葬が選ばれる主な理由は下記になります。
- 葬儀費用を抑えたい
- 宗教や慣習にとらわれず自由な形式で行いたい
- 故人様の意思を尊重したい
- 香典返しや参列者対応の負担を減らしたい
- 落ち着いた雰囲気で静かに個人を見送りたい
参列者の負担を減らしたり、葬儀費用を抑えるといった点で人気がありますが、特に親しい人のみで送り出すことができるので、「音楽葬」や「花祭壇」といった従来の形式にとらわれない葬儀ができる点も魅力の一つになります。
家族葬のマナー:参列・連絡・お悔やみ
家族葬のマナーは、故人様と遺族への配慮が基本です。
以下のポイントを抑えるようにしましょう。
- 訃報の連絡
- 通常、故人様が亡くなった当日か翌日に、訃報と葬儀情報が伝えられます。
- 連絡方法は、遺族からの直接連絡、親戚や知人からの伝言、職場経由、近年ではメールやSNSなど様々です。
- 参列について
- 参列
家族葬は基本的に遺族から招待された方のみが参列します。 - 服装
一般的な葬儀と同様に、喪服または略礼服を着用します。
華美なアクセサリーや毛皮、革製品は避けるようにしましょう。 - 香典・供花
家族葬では香典や供花を辞退されるケースもあります 。事前に遺族の意向を確認しましょう 。
辞退の意向が示されていない場合は、持参しても問題ありません 。
香典を持参する場合は白い封筒に入れ、袱紗(ふくさ)に包んで持参します。 - 参列人数
会場規模が小さいことが多いため、大人数での参列は控えるのがマナーです 。
複数名で参列する場合は代表者を立てるなど配慮しましょう。
- 参列
- 参列しない(できない)場合
遺族の意向で参列を控える場合や、やむを得ず参列できない場合は、無理に弔問することは避けましょう。- 弔意の伝え方
- 香典や供花を送る(辞退されていない場合)
- 弔電を送る。お線香付きの電報なども選択肢になります。
- 後日弔問する(事前に遺族に確認)
- お悔やみの手紙を送る。
- 香典・供花の辞退
遺族から「香典辞退」「供花辞退」「ご厚志辞退」などの連絡があった場合は、その意向に従い、送付は控えます 。
辞退の表現によって受け付けているものが異なる場合があるので、連絡内容をよく確認しましょう
- 弔意の伝え方

家族葬の喪主挨拶
家族葬であっても、喪主の挨拶は故人様への感謝と参列者への謝意を伝える大切な役割を担います 。
親族のみの場合は省略されることもありますが、基本的には必要と考えましょう。
喪主の役割
喪主は葬儀の責任者であり、葬儀全体の進行管理や参列者の対応を行います。
また、葬儀社や寺院などの関係者との調整も必要になります。
誰が喪主を務めるかは故人様の意向があればそれに従うのが通常ですが、ない場合は慣習に従って決めるのが一般的です。
配偶者や子どもなど故人様に近い方が務めるのが一般的ですが、血縁者がいない場合などは友人、知人、あるいは葬儀を行う施設の代表者が喪主を務める場合もあります。
喪主を務める方は以下の目的と心構えで葬儀に臨むと良いでしょう。
- 故人への哀悼の意を表す。
- 参列者への感謝を伝える。
- 故人との思い出や感謝の気持ちを伝える。
(堅苦しくならないように温かい言葉で伝える) - 故人の人となりや生前のエピソードを共有する。

挨拶のタイミングと例文
喪主挨拶は、主に以下の場面で行われます 。
ここでは基本的な構成要素と例文の一部を紹介します。
基本的に長々と話す必要はなく、感謝の気持ちが伝わるようにすれば問題ありません。
- 僧侶への挨拶(お布施を渡す際など)
「本日はご足労いただきありがとうございます。予定通り通夜(葬儀)を執り行いますので、よろしくお願いいたします。」
など - 弔問客への挨拶
「この度は、ご多忙の中お時間をいただき、誠にありがとうございます。生前は故〇〇(故人名)が、大変お世話になりました。」
など - 通夜振る舞いでの挨拶(開始時)
「本日は、ご多忙の中、ご参列いただき、誠にありがとうございました。ささやかではございますが、お食事をご用意いたしました。故人の思い出話などお聞かせいただければ幸いです。どうぞ、ごゆっくりお召し上がりください。」
など - 通夜振る舞いでの挨拶(終了時)
「皆様、本日は誠にありがとうございました。宴もたけなわではございますが、夜も更けてまいりましたので、これにてお開きとさせていただきます。なお、明日の葬儀・告別式は〇時より執り行います。本日は誠にありがとうございました。」
など - 告別式での挨拶
「遺族を代表いたしまして、皆様に一言ご挨拶申し上げます。本日はご多忙の中、〇〇(故人名)のためにお集まりいただき、誠にありがとうございます。(故人の紹介、生前のエピソード、感謝)。生前、故人が皆様から賜りましたご厚情に、心より感謝申し上げます。残された私どもにも、今後とも変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。」
など - 精進落としでの挨拶(開始時)
「皆様、この度はご多忙の中、〇〇(故人名)のためにお集まりいただき、誠にありがとうございました。皆様のお力添えのおかげで、無事に葬儀を終えることができました。ささやかではございますが、精進落としの席をご用意いたしました。どうぞごゆっくりおくつろぎください。」
など - 精進落としでの挨拶(終了時)
「皆様、本日は誠にありがとうございました。故人の思い出話など、たくさんのお話をお聞かせいただき、心より感謝申し上げます。名残惜しくはございますが、皆様もお疲れのことと存じますので、これにてお開きとさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。」
など

喪主挨拶で避けるべき「忌み言葉」
葬儀の場では、不幸が重なることや不吉なことを連想させる「忌み言葉」は避けるのがマナーです。
普段使っている言葉でもご葬儀の席では避けた方が良い言葉もありますので、以下の注意点をご確認ください。
- 繰り返す言葉
(例)重ね重ね、たびたび、ますます、次々、くれぐれも など
これは不幸が繰り返し起こることを連想させるため使わないようにしましょう。 - 不吉な言葉
(例)消える、なくす、終わる など
死を連想させたり、不吉だと思われる言葉は使わないようにしましょう。 - 生死に関する直接的な表現
(例)死ぬ、急死、生きていた頃 など
弔問客に不快な思いをさせる可能性があるので「逝去」「永眠」「生前」などの言葉に言い換えるようにしましょう。 - 宗教によってNGとなる言葉
仏教では迷う、浮かばれないといった言葉は成仏できないことをイメージさせてしまうため使わないようにしましょう。
キリスト教では供養や成仏などの仏式用語は避けましょう。
よくある質問
故人様の家族や親族、生前に特に親しかった友人など、遺族から招待された方が参列するのが基本です。
参列者が親族のみの場合は省略されることもありますが、故人様への感謝と参列者への謝意を伝える大切な機会ですので、基本的には挨拶を行うことが推奨されます。
一般的な葬儀と同様に、喪服または略礼服を着用します 。華美なアクセサリーや毛皮、革製品は避けましょう。
通常は故人が亡くなった当日か翌日に、電話やメール、SNSなどで連絡があります 。葬儀後に訃報を知ることもあります。
無理に弔問せず、遺族の意向を確認の上、香典や供花(辞退されていない場合)、弔電を送る、後日弔問するなどして弔意を伝えましょう。
まとめ
家族葬は、故人様と親しい人々が心穏やかに別れを惜しむための葬儀形式です。
参列する際は遺族の意向を尊重し、服装や香典などのマナーを守りましょう 。
また、喪主を務める場合は、故人様への感謝と参列者への謝意を込めて、温かい言葉で挨拶を行うことが大切です 。
本記事で紹介したマナーや挨拶のポイント、例文、よくある質問が皆様の参考になれば嬉しく思います。